僕のiPodが壊れた。そこでiPodをアップルのサポートに送付して修理を依頼したところ、「あなたはiPodを改造しました」 と言われてサポートを断られた。でも僕は改造なんてやっていない。サポートに電話をして色々質問した後、もう一回サポートにiPodを送付した。そうしたら今度は、保証期間外だったにも関わらず新品のiPodを無料でくれた。僕は再びサポートに電話をかけた。
「あのー、それで私のiPodが壊れた原因は何だったんです?」
「原因不明です。」
「おそらく中の電池が膨らんだんですよね?」
「そうだと思われます。」
「私のiPodはどうなりました?」
「廃棄処分しました。」
「何で調べないんですか?」
アップルの対応がめっちゃ怪しいのだが、これだけじゃあない。サポートに色々と質問していくうちに、アップルのサポート体制に色々疑問が生じたので、その疑問をまたサポートに質問した。
というわけで今回の事象とそのサポートとのやりとりを以下にまとめた。文章量が多いので、面白い対応だけを大文字にした。iPodが壊れた経験とか無い人は、大文字だけを斜め読みしてください。
iPodが壊れてしまった人たちのサポート利用日記みたいのを読んでみると、たいてい以下の2つのパターンに分けられる。
- 無料で新品のiPodくれた!ワーイ、アップルは素晴らしい!
- iPod直せないから○○○○○円で交換だって。ショック!故障したiPodは直せないんだって…
僕はそのどちらでもなかった。「改造痕があるため、保証外です。」と言われて、アップルは有料の交換にすら応じなかった。でも僕は改造なんてやったことない。そこから僕の戦いが始まった。
ここでiPodのサポートの仕組みについて説明する。
ユーザはiPodを購入しても、例えば「ビックカメラの長期保証」みたいなものに加入できない。1年以上の保証を受けるためには「AppleCare Protection Plan for iPod」という商品を購入する必要がある。でもそれを購入しても保証期間が1年から2年になるだけだ。2年を越える保証は存在しない。
「AppleCare Protection Plan for iPod」を購入すると、規約が書かれた紙とシリアル番号が手に入る。このシリアル番号をWeb上で登録すると保証期間が1年間延長する。「AppleCare Protection Plan for iPod」の値段は1年間で7140円!随分と高いし、7140円のことを「わずかな投資」と表現しているのにも違和感を感じた。だけど僕はそのシリアル番号を購入した(注:nanoとshaffuleのみ、その後4800円に値下げした)。
「AppleCare Protection Plan for iPod」は「保証」と銘打っているが、他の企業の保証のように「製品がちゃんと動くこと」を保証してくれるわけじゃない。「アップルがお客様をサポートしてあげます」という7000円のサービスなのだ。世間一般の「保証」とは随分とズレがある。
だからiPodが保証期間内に壊れても、アップルがiPodを直してくれるとは限らない。iPodが壊れた場合、アップルのサポートは以下のように対応するのだ。
- ○ユーザの使用方法に問題が無いと判断した場合
- ⇒無料で同機種のiPodと交換する。
- ○ユーザの使用方法に問題が有ると判断した場合
- ⇒有料で同機種のiPodと交換する。
- ○ユーザの使用方法に大きな問題が有ると判断した場合
- ⇒有料でも交換に応じない。
この文章を作ったのは僕だけど、この内容自体は僕がアップルのサポートに何度も電話して確認したものだ。
「有料で同機種のiPodと交換する。」とあるけど、この有料という金額が凄く高い。僕のiPodの場合9800円だけど、最新のiPodの場合29800円もする。
そしてもう一つ重要なことがある。それは壊れたiPodは直せないということだ。アップル側には直す意思も技術もない。アップル側ができるのはソフトウェアの不具合をリセットして直すことだ。でもリセットくらいWeb上で調べれば誰だって出来る。分解修理が出来ない製品(ケータイとか)は色々とあるけれど、「AppleCare Protection Plan for iPod」は「修理と交換」を売りにしている。
前項で「ユーザの使用方法に大きな問題」とあったけど、このユーザ過失条件が凄く厳しい!そしてその条件をユーザは事前に知ることはできない。でもアップルから送られてきた書類に、その条件が書いてあった。サポートを断られるユーザ過失の条件とは以下の通りだ。
- 過度のへこみがある
- 過度の歪みがある
- 過度の損傷がある
- 解体の形跡がある
- 改造の形跡がある
- 錆などの水没した形跡がある
- シリアル番号などが削り取られている
とまあここまでならわかるのだが、さらに以下のような条件が続く
- 液晶画面にへこみがある
- 液晶画面に歪みがある
- 液晶画面に損傷がある
- 操作ボタンにへこみがある
- 操作ボタンに歪みがある
- 操作ボタンに損傷がある
- イヤーホーンコネクタにへこみがある
- イヤーホーンコネクタに歪みがある
- イヤーホーンコネクタに損傷がある
- イヤーホーンコネクタに異物が混入している
- ドックコネクタにへこみがある
- ドックコネクタに歪みがある
- ドックコネクタに損傷がある
- ドックコネクタに異物が混入している
いや、ちょっと待てよ。2年間iPodを使ってたら普通はこうならないか?
僕の話に戻す。僕のiPodは購入してから一年と数日経過したときに自然に壊れた。購入してからiPodを一度もケースから取り出したことはなかった。ただiPodを修理に出した際に初めてケースから取り出して、iPodに隙間が開いていることに気がついた。
修理に出したiPodだったが、iPodはそのままの形で僕に送り返され、「改造痕があります、保証外です。」という書類が添付されていた。僕は詳細を聞くためにサポートに電話をかけた。しかしサポートは書類に書いてある事しか答えなかった。
僕のiPodは壊れ、全ての音楽データが消え(ナパーム・デスとモダン・チョキチョキズとスレイヤーとLINDBERGが同居していた)、7140円のサポートは無駄になった。
でも僕は改造なんてやってないんだ!あの隙間は自然に開いていた!変な使い方なんてやっていないんだ!それでもボクはやっていないんだ!こうなったら修理してくれるまでこっちは絶対に引かんぞ!そういえばアップルのサポート体制に抗議するためにチェーンソーでiBookを切った勇者がいたな!こっちもスパルタ魂を見せてやる!修理してくれないんだったら、銀座アップルストアに映画『300』のスパルタ兵のコスプレで突撃して、小島よしおの「オッパッピ」をやってやる!
そう思ったんだけどさ(注:思ってません)。僕って怒るの苦手なのよ。友人や職場からも「怒ったところ見たことがない」って言われているのよ。しかも仕事の関係でクレーマー対応のサポートの辛さとかよく知っているのよ。
いいや、でもそんなことで憶したらダメだ。ユーザは企業に対してきっちりクレームをつけいく必要があるはずだ。だから日本中のモンスターペアレントたちはオラに力を分けてくれ!
っつーわけで、アップルのサポートに電話した内容をまとめた。大部分は僕の故障の話じゃなくて、アップルのサポート体制に関する質問です。
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